コンスタントに人間ドラマを描き続ける韓国の映画監督イ・ユンギの2017年最新作を原作に、ストレート・プレイ、ミュージカルのフィールドで説得力ある作品提供をし続ける板垣恭一(脚本・作詞・演出)と映像から舞台まで活躍の幅を拡げている新鋭・桑原まこ(作曲・音楽監督)のコンビでミュージカル化!
妻に先立たれた男、昏睡状態の中で心だけ目覚めた女―
二人は胸の内に抱えた悲しみゆえに巡り会い、
互いの心の穴を少しずつ埋め合っていく
保険調査員のテル(藤岡)は後輩・タマキ(内海)の担当だった仕事を引き継ぐよう新任の上司・クサナギ(小林)から命じられる。それは交通事故で植物状態の女性・エミ(皆本)の事故の原因を調べるというもの。しかし、エミの代理人・マドカ(佃井)と友人・トモヒコ(荒田)は調査に非協力的で敵対。仕事が進まないなか、病死した妻・マキ(入来)のことをまだ整理できずにいるテルに声をかけてきたのは、意識がないはずのエミだった。俄かには信じがたいと思いながらも自分にしか見えないエミと交流を重ねるうちに、事故の陰に幼い頃にエミを捨てた消息不明の母親・サオリ(和田)の存在が浮かび上がってくる。