- 2019/02/05いつかblog
-
『いつか』PV撮影インタビュー:入来茉里さん(夏目マキ役)
テルの妻、マキは2年前に亡くなるも、今もテルの心に影響を与える人物です。切ない設定とは裏腹に、演じる入来さんは笑顔が似合う明るい雰囲気。はきはきとインタビューに答えてくれました。――今日のPV撮影は、夫役の藤岡さんと2人のシーンですね。
マネージャーさんが今日のPV撮影を見て、「珍しいですね」って言ったんです。いつもはかわいらしいとか若い感じの役が多かったので、確かにちょっと雰囲気が違います。撮影したのは、踏切に並んでいるシーンです。藤岡さんが踏切を待っているところに私が演じるマキが入っていって、心配そうに見るというカットです。もうマキは亡くなっているという設定だったので藤岡さんと会話をすることもなく、仕事に行く元旦那を見るという、そんな設定でした。
――奥様の役で、亡くなっているという設定。シリアスな役なのでしょうか?
今日の感じだと、バリバリ仕事してた人なんだろうなと。撮影しながら話していたのは、「マキが死んじゃってから、旦那さんもちょっとダウンしちゃってるんだろうな」ってこと。二人で仕事を切磋琢磨しながら頑張って、相乗効果があったんだろうと想像しています。旦那さんにとっては、ライバルがいなくなったような感じ。普通のハッピーな恋愛で結婚したというよりは、同志のような感じなんじゃないかな。……と、勝手に思ってます(笑)。――たしかに、今日の衣裳は、「できる女」という印象ですね。
デザイナーは芸術的な仕事だと思います。そんなにクールめにいかなくてもいいのかな、感受性豊かに演じてもいいのかなと。どっちにするかですよね。でも、私自身は、わりと今の感覚で物事を決めるほうなんです。振れ幅がわりとあって、今言っていることが3時間後には違うってよく言われるんです(笑)。今日の撮影のイメージは、自分の素とは違うかもしれません。あとは、共演者のみなさんのキャラクターによる部分も多いですね。皆さんがどんなキャラクターをやっていて、私はこの物語でどの立ち位置でと、俯瞰で見て計算したりしているので。かぶるな、と思ったら違う方向にいこうかな、って思います。
――そういう役作りなんですね。
そのほうが役割をちゃんと担えるかな、って。舞台は生ものだから、初日と最終日でもちょっとずつみんな変わっちゃったりもします。それが舞台の良さだと思います。――この作品に興味を持ったきっかけは?
演劇のセミナーで、板垣恭一さんと一度ご一緒したんです。芝居ができるまでを一般の方に見てもらうというセミナーに私は役者として参加したのですが、板垣さんは言葉をたくさんくれる人だなと思いました。もし作品に入ってちょっと行き詰まったり悩んだりしても、板垣さんに引っ張ってもらえるんじゃないかなと思いましたね。韓国の映画という原作がもともとある作品なのですが、全体的に切ないんだろうなって思いつつ、その中になんかほっとするものがあるんだろうと想像しています。想像ができるから、楽しみですね。派手で、じゃーん、バーンっていうより、そういう繊細なお話が好きなんです。あと今回は、わりと年齢の近いキャストさんが多いんです。和田清香さんとは板垣さんのセミナーでご一緒しましたが、他のみなさんは初めましてです。未知数な人たちのなかで、自分の立ち位置を探っていきたいと思います。
――入来さんは、もともと新体操をやっていたりとか、戦隊ものをやっていたりとか、幅が広いんですね。
いろんな作品に出させてもらっています。――そんな中で役作りのヒントにするものは?
他の人がどんなふうにやっているのかなというところは注意して見ますね。あとは現場の衣裳とかメイクとかスタッフさんの力を借りて、それをもとに「こういう自分がいるから、そこから派生させていこう」と発展させていきます。だから今日はこの衣裳のこと、今日演じた気持ちは覚えておこうと思っています。文:桑畑優香 / 撮影:安藤毅
- いつか〜one fine day 公式サイト http://consept-s.com/wp/itsuka/