

ハウゲスン&光州 meets 東京
「ノーベル文学賞」をテーマに、日本初演となるヨン・フォッセの最新戯曲『誰かひとり』とまだ一度も戯曲化されたことのないハン・ガンの短編『回復する人間』をダブルビルで上演。
ノルウェー西部のフィヨルド地帯であるハウゲスン出身のヨン・フォッセと韓国の民主化の象徴とも言える光州出身のハン・ガン。二人とも詩的で実験的な文体を持ち、言葉では表しきれない人間の内面や感情、存在の根源に迫る作品が評価されている。ヨン・フォッセは「語りえないことに声を与えた」と評され、散文や詩においても静謐で抑制された表現を貫く。一方のハン・ガンも、歴史や暴力、喪失と再生といった重厚なテーマを、身体や自然、沈黙など象徴的なモチーフを用いて詩的に描写し、高く評価されている。
生と死、個人と社会、記憶や痛みといった普遍的な問題意識に向き合い、読者の深い共感と内省を呼び起こす二人の作家の世界観を繋ぐ稀にみるこの企画から、この時代が感じとる言葉に出会ってみて欲しい。
“誰の痛みも同じじゃない”
普段なら見逃してしまうような静けさや空気感、その中にそっと潜んだ孤独や小さな悲しみ、見えないところでうごめく人の心のささやかな揺れ。
本公演ではフォッセの澄んだ詩のような表現に、ハン・ガンの描く身体的・社会的な葛藤や重みが重なることで、登場人物一人ひとりの痛みや想いが丁寧にすくい上げられていく。
世の中は複雑になり個性と多様性という細分化が進んでいるように見えて、その実は共感を求め、同じ考えの人たちが集い易い環境になっているようにも感じられる。
その感情、孤独、傷、痛みさえも、多くの誰かに認められなければ不安に駆られる今。
誰かひとりと丁寧に向き合い、痛みに寄り添う時間を発見してみてください。
舞台上に溢れるエネルギーたち
出演は、その真っ直ぐな演技で様々なジャンルの舞台で活躍中の山本涼介、話題の舞台作出演やMC、近年は演出家としても活躍の幅を広げている平野良が。自然で繊細な演技力で話題作に出演中の鈴木勝大、さらに舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』のロングランを終えたばかりの豊田エリーと、映画や舞台など多彩なジャンルで培われた確かな演技力が魅力の女優・智順(ちすん)、そして高い演技力と感性で活躍する古河耕史がノーベル文学賞作品に挑む。
また初舞台化となるハン・ガンの原作を戯曲化するのは瑞々しいセリフや言葉によって時空間を飛び越える詩的な作風が特徴の劇作家・オノマリコ。演出には不条理と写実を同居させながらエネルギーに満ちた芝居で注目を集める文学座所属の西本由香が、この二人の巨人の作品にウィットと舞台ならではのスパイスを加える。
ある日、偶然に再会したと思われる二人の若い画家。彼らの前に、年長の女性が現れ、まるで息子に対するように懐かしい言葉や思い出について語りかける。しかし、若者はまるで彼女の存在に気づかないかのように沈黙し続ける。
後を追うように登場する年長の男性。年長の男女は「なぜ息子が自分たちを拒絶するのか」と戸惑い、必死に関係を取り戻そうとするが、若者は彼らの存在を無視し「一人でいること」に固執する。そして互いの存在に疑心暗鬼になり虚しさを吐露し始めた彼らは、やがてそれぞれの選択をすることになるのだが・・・
土曜の午後、左足首を怪我した“あなた”は、くたびれた白衣の医師に診察を受けている。傷の治療とともに曖昧になっていく記憶の中、かつて冗談好きでほんの少し悪戯っぽかった自分の過去を思い出す。そしてその記憶にはいつも“姉”がいた。
怪我のきっかけとなったのは、その姉。長身で美しく、他人から羨望されていた姉が、実は自分よりも深い劣等感を抱えていたことを、“あなた”は思い出す。姉との微妙な距離感、二人はどこで何を間違えてしまったのか。
そしてまだ足首の傷が癒えないある日、“あなた”は痛みを堪えて全速力で自転車のペダルを漕ぎ始めるのだが…。
出演者の画像をクリックするとプロフィールが表示されます
1984年5月20日生まれ。俳優。
1999年に子役としてデビュー。映像を中心に活動する。その後一度、芸能界を離れ、
2007年に再デビュー。
主な作品にミュージカル「テニスの王子様」四天宝寺、一氏ユウジ役、
「ふしぎ遊戯」主演、「ハンサム落語」全シリーズ出演、舞台「殺意の衝動」W主演、ミュージカル「さよならソルシエ」W主演、舞台「インフェルノ」主演、、舞台「マリアビートル」主演、舞台「シラノ・ド・ベルジュラック」、舞台「文豪とアルケミスト」主演、ミュージカル「あなたの初恋探します」マルチマン役、ミュージカル「憂国のモリアーティ」主演などの舞台を中心に活動。
さらに2019年には初の演出作品「BIRTHDAY」を手掛け、2023年には「2.5次元ナビシアター」の演出、2024年には新国立劇場、2025年10月にはClub eXにて演出家としても活動中。
またここ数年ではVK「カナフルTV」のレポーターなど多方面に活躍中。
1959年、ノルウェー西海岸のハウゲスンに生まれ。ノルウェー語(ニーノシュク)で執筆された彼の膨大な作品群は、戯曲、小説、短編小説、詩、エッセイ、児童書、そして翻訳作品など、多様なジャンルを網羅している。彼の作品は40以上の言語に翻訳されており、今日では世界で最も広く上演されている劇作家の一人。
2005年にはノルウェー王立聖オラフ勲章のコマンダーを受章、2007年にはフランス国家功労勲章ナイトを授与。また、2010年には国際イプセン賞、2015年には北欧評議会文学賞、そして2023年にはノーベル文学賞を受賞した。

翻訳:アンネ・ランデ・ペータス
上演台本: アンネ・ランデ・ペータス、山崎元晴
2024年のノーベル文学賞を受賞。韓国、光州生まれ。1994年、ソウル新聞春季文芸大賞を受賞し、小説家としてのキャリアをスタート。初の英訳小説『菜食主義者』は2016年国際ブッカー賞を受賞。続く『少年が来る』は韓国の萬海文学賞、2017年にはイタリアのマラパルテ賞を受賞した。『すべての、白いものたちの』は2018年の国際ブッカー賞の最終候補に選出。また、李箱文学賞、今日の若い芸術家賞、第25回韓国小説大賞、黄順元文学賞、東里文学賞も受賞している。最新作『別れを告げない』は2021年に韓国で出版され、批評家から高い評価を受け、大山財団賞と2023年外国人医師賞を受賞した。ハン・ガンは2018年までソウル芸術大学創作学科の教授を務め、現在は執筆活動に専念している。彼女の作品は現在までに50以上の言語で出版されている。

翻訳:宋元燮
脚本:オノマリコ
日本大学藝術学部演劇学科演出コース卒。2006年文学座附属演劇研究所入所(46期)。2012年座員に昇格。劇団内外で主に鵜山仁、松本祐子の演出助手を務める。2018年12月『ジョー・エッグ』で文学座アトリエ初演出。2019年1月より1年間、文化庁新進芸術家海外研修制度により渡独、マキシムゴーリキー劇場及びシャウビューネにて研修。近年の主な演出作品は、『病気』(名取事務所・吉祥寺シアター)、『アンドーラ』(文学座アトリエの会)『ミネムラさん』(劇壇ガルバ)、『リセット』(文学座アトリエの会)、『肝っ玉おっ母とその子供たち』(文学座本公演)などがある。

美術:杉浦充
照明:北澤真(あかり組)
衣裳:萩野緑
音響:岡田 悠(One-Space Inc.)
ヘアメイクデザイン:高村マドカ
ムーブメント・ディレクション:藤井颯太郎 (『回復する人間』)
演出助手:城田美樹
舞台監督:弘中勲、柳川瑛美奈(ザ・サムシングエルス)
Swing:夏八木映美子、大石英玄
イラスト:石丸美緒里
宣伝デザイン:鳥子
WEBデザイン:eclipsodesign
宣伝衣裳:高山良昭
宣伝ヘアメイク:高村マドカ
スチール撮影:オノデラカズオ
PV動画製作:深沢麿央
動画撮影:角直和(極楽映像社)
マネジメント(五十音順):アルファエージェンシー、ハルエンターテインメント、ファザーズ・コーポレーション、KON-RUSH、loca、MONOPOLIZE
宣伝:谷中理音
宣伝協力:吉田プロモーション
票券:Mitt
制作:大友泉、飯塚なな子
アシスタント:プロデューサー:山口櫂
プロデューサー:宋元燮
製作支援:杉本事務所
企画・製作・主催:conSept
後援:ノルウェー大使館
駐日韓国大使館 韓国文化院
★初日カーテンコール
■シアタートーク(詳細は後日発表いたします)
ステップ・プライスによるチケット販売となります。詳しくは下記URLよりご確認ください。
https://consept-s.com/step-price/
ミラチケ実施公演
※ミラチケはアンダー22向けの無料チケットです。詳細は以下のURL よりご確認ください。
注意事項
※未就学児はご入場いただけません。
※開演後は本来のお席にご案内できない場合がございます。あらかじめご了承下さい。
※公演中止の場合を除き、チケットの変更・払戻しはいたしません。
※車椅子席は6,000円となります。ご希望の方は事前に必ずorder@consept-s.comまでご連絡ください。
《ローソンチケット:座席選択可》
Lコード:35407
《イープラス》
《チケットぴあ:座席選択可》
Pコード:537-791
《カンフェティ:座席選択可》
http://confetti-web.com/@/litera1/
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(平日12:00~17:00)